2020年5月18日☆誰かに話したくなる救急医療現場の話
胃の激痛があった4日間の、救急外来でのお話です。
救急外来に行くと、だいたいいつも先客がいらっしゃいます。
意識が朦朧としてはいましたが、まるでテレビで見る医療現場のドキュメンタリーのような、壮絶な会話をはっきりと覚えています。
1日目『午後、コロナ疑い、2、3日発熱』看護師さんが、手短にドクターに説明します。
ドクターは、淡々と『分かった。』と立ち去ります。
小さかったサイレン音が次第に大きくなり、病院の前で止まりました。
コロナの疑いがある患者さんを迎える前に、次の急患の準備をしているようでした。
2日目『末期がん患者、オペの準備!』
ドクターが若い看護師に、指示しています。
少し離れたところで、車いすの高齢女性がか細い声で『痛い・・・痛い・・・』と呻いています。
女性の横には、泣き出しそうなご家族様方。
痛がるお母さんを見て、覚悟を決めていたのかもしれません。
若い看護師さんは、患者さんとご家族様に寄り添っていました。
3日目『大腿の複雑骨折』
車いすの高齢男性が家族に付き添われ、『痛い、痛い。』と小さな声で訴えます。
年齢的にもう完治は難しいかもしれないし痛み止めで様子をみましょう、とドクターが説明しています。
ご家族様は、痛みがなくなるとまた動いてしまいまた痛がるようになるので・・・というようなことを言っているようでした。
ドクターとご家族様の間で、なかなか決着がつかないのか、ずいぶん長くお話をされているようでした。
4日目『重度のアルコール中毒患者、もう20軒断られているそうです』
看護師さんがドクターに説明しています。
『どうしても受け入れ先が見つからないようなら、受け入れる』
結局、受け入れ先が見つからず、こちらの救急病院で受け入れを決めたようでした。
救急病院で痛み止めの点滴をしてもらい、帰宅するまでの間は、だいたい2~3時間だったと思います。
そんな数時間の間にも、少ないスタッフで複数人の救急の対応をされていました。
最近は、コロナの話題とともに医療従事者の方への感謝の気持ちや、リスペクトが伝えられるようになりました。
しかし、コロナが猛威を振るう前も今も未来も、医療従事者の方は変わることなく患者のケアやサポート、命を守るという尊いお仕事をなさっているのです。
本当に、ありがたいことと思います。
今だけではなく、いつも、感謝やリスペクトの気持ちを忘れずにいたいです。
また、こんな時期に病院へというと嫌がられるかと思いましたが、いつも快く運転してくれたタクシーのドライバーさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
タクシーさんが来てくれなかったら、病院へも行けず、行けても帰れずだったと思います。
助けてもらうこと、便利なことは、当たり前ではないと、強く感じた数日間になりました。
0コメント